街角アンソロジー

いろんな街の風景

戦地の図書館

「戦地の図書館」

モリー・グプティル・マニング作

松尾恭子訳

東京創元社より

 

第二次世界大戦のときに

アメリカは戦場に本を送りました。

戦場図書運動とよばれるものです。

ナチス焚書に対抗して、

戦地へ本を送ろうというキャンペーンが行われました。

 

戦場で本?

重くないの?

役にたつの?

様々な疑問を乗り越えていく本でした。

たくさんのエピソードから

兵士たちがどれほど読書を大切にしていたかを知らされます。

何よりも、戦場から帰ってきた兵士たちが

向学心にあふれ、

優秀な成績で大学を卒業していったという事実。

本の力をあらためて考えさせられる本でした。

 

現代社会でも、コンクリートジャングルの中での戦いの中で

本は士気を高め、心を癒し、困難を乗り越える勇気を

あたえてくれるのだろうと思います。

 

 

本文 訳者あとがきP256ページより

「余談ながら、日本も兵士用の本を製作しており、

それには江戸川乱歩などが含まれていた」そうです。