街角アンソロジー

いろんな街の風景

ショーウィンドウの中の自分

結婚してから、専業主婦でした。

自分の夢を押さえ込んで、

家事に没頭していました。

ある日、

デパートに買い物に行ったとき

何も言ってないのに、

主婦ですよねと言われて、

やっていることは

見た目に出るものだなあと思いました。


それから数年経ち

主人の仕事の関係で、自宅で

事務を手伝うようになりました。

所用で、

都内に出たときのことです。

ショーウィンドウに

映った自分を見たとき

事務の女性に見えました。

その印象を裏付けるように

すれ違った学生さんは

あのあたりの事務の人じゃない

と言っているのが聞こえました。


やっていることは

見た目に出るものなのです。


家に帰ると

愛猫の頭を撫で、

ニャンニャン鳴くのを

じっと見ていました。


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